著者の本はブルーバックスの「高校数学でわかる」シリーズを読んで衝撃を受けて以来、著者名買いをすることにしたのですが、新刊が出ているにも関わらず未読があるのはイカン!…とか思ったので。
いやホントは読むの面倒だったから放置してただけです。どうも4月から電波関係のところで仕事する可能性が濃厚になってきたのだけど、一応理系の癖に電波どころか電磁気自体が微妙(いま光関係の仕事していてそれはアカンだろ…)なもんで、配属されて怒られる前にちょっとだけ復習しておくのに丁度いいや、ということで読んでみました。
電磁気の基礎がとてもコンパクトでイメージし易くまとめられているところは例の「高校数学でわかる」シリーズを書かれた著者ならではだと思いました。Maxwell方程式を積分方程式としてだけでなく、ベクトル解析の基礎を交えて微分方程式として扱ってみただけの本という、意地の悪い言い方もできたりしますが、本当の基礎の要点をまとめて、簡単な応用へ結びつけて見せることによって、読み手に電磁気の明確なイメージを提示させることは今回も成功していると思います。
ただ、読んでいると例のシリーズでは見られなかった記載上のミスが多々散見されていて、例のシリーズで強く感じられていた「読み手へのもてなしの心」みたいな物がだいぶ弱く感じられてしまったのは残念でなりません。多分想定している読者の違いから来るものなのか、十分なチェックをする余裕が無かったのかもしれません。
ねこさんにとっては今回もとてもいい刺激になったのは間違いありません。この本をベースにして必要に応じてより専門的な本を読み進めようという、最初の取っ掛かりには例のシリーズとこの本を読むのはとてもいいと思います。
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