木曜日, 1月 22, 2009

石村 貞夫・石村 園子著「金融・証券のためのブラック・ショールズ微分方程式 」

以前に仕事で「確率過程を勉強する必要があるかなー」と思った時に会社の図書室で見つけて借りたにも関わらず、直接仕事に関係なかったので読まなかったのですが、返す前に読んでおこうかと一気読み。数学の基本から要点のみを抑えつつ簡潔に説明している本…って感じだったので、確率過程の基礎を手っ取り早く知るのにいいかな…という目論見だったのですね。

残念ながら、この本を読んでも確率過程の理解が深まる…という訳には行かなかったのですね。確かにウィーナー過程とか伊藤過程・伊藤の補題の簡単な説明が出ては来るのですが、そもそものこの本の目的は「ブラック・ショールズ方程式の導出と解析解を求めること」に完全に絞られていて、それに必要な最低限の説明のみに限られた内容になっています。但し、方程式と解の導出に必要な計算はまったく省略なしに懇切丁寧に書かれていますので、計算が苦手なねこさんにもすらすらと読み通せます!そういう意味で納得したい人には良い本だと思いますが、最終的にできるようになることといえば「単純なユーロピアン・コールオプションの価格計算ができる(?)」ようになるだけですので、それ以上の応用を見につけるにはもっと勉強をする必要があるのでしょう。それに、初歩的な数学の説明はこれでもかと言う位丁寧に説明されていますが、金融用語は容赦なく説明がありませんので、そういうことに疎いねこさんはひたすら検索しまくりで読むことになります。最後の元論文の部分訳は殆どよくわかりませんでしたが、それ以外の金融用語はなんとなく判る様になりました。そういった意味でもねこさんの為にはなったようです。それにしても「保有する株からの損益と販売するオプションからの損益それぞれのリスクは、上手くポートフォリオを組むとキャンセルすることができる」というロジックは何度読んでも狐に摘まれたような気分が拭えません orz

この本に書かれた内容を手がかりに、不足してるな…と思う事を少しずつ広げて勉強していければいいなーと思わせてくれたという意味で、ねこさんにとってはいい本だと思いました。これは会社の本ですけど、自分の手元にも買っておこうかと思います。なんか増補版が出ているようですし。

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